物流weekly 2020年6月1日 掲載されました。
株式会社 物流産業新聞社
物流weekly 2020年6月1日 掲載記事
激励金とマスク支給エムエスシステム コロナ禍での取り組み
エムエスシステム(鈴木貴之社長、さいたま市緑区)は平成19年6月に設立、今年で14期目を迎える。食品輸送における店舗配送、一般雑貨配送の2本柱で展開し、前期(令和2年4月末決算)の売り上げは17億円を超えた。保有トラックも60台になり、ドライバーも60人を超えた。今期は新型コロナウイルスの影響を受ける中でのスタートとなったが、年商20億円を目指し取り組みを進めている。
平成25年に北足立郡伊奈町にトラスト営業所として拠点を構えた同社は、3年前の平成29年に、自前で本社社屋を建てた。それ以降これまで、2拠点での営業を続けてきたが、業務拡大のため、このほど茨城県古河市に北関東物流センターを開設、400坪の倉庫を有する同センターは、5月1日から稼働を開始した。
現在、新型コロナウイルス感染症拡大による影響を受け、業界でも荷量減などが発生している。同社も、荷主の営業停止などで影響を受けているという。
しかし、同社の佐藤伸彦専務は、「こんなときだからこそ前向きにいこうとの鈴木社長の考えのもと、ドライバーを大切に、そして地域貢献をしようと取り組んでいる」という。
同社では、全従業員を対象に、コロナ激励金として、緊急事態宣言が出た4月、そして5月と、それぞれ一律3万円の手当てを支給した。
さらに不足していたマスクも1万枚を準備し、従業員とその家族に無料配布を行った。
一方、地域貢献として、本社のある地域の保育園へ足を運び、マスク3000枚を寄付した。
こうした取り組みに、ドライバーからは、「こんなに従業員や家族を大切にしてくれる会社はこれまでなかった」「勤めていて安心」との声が聞かれたという。
佐藤専務は、「大変な時でも、先頭に立って体を張って頑張ってくれるのは現場のドライバー」とした上で、「厳しい環境を共に乗り越え、新センターを含めた3拠点で力を合わせて取り組んでいきたい」とし、当面の目標である年商20億円達成に挑む。